2020.09.29

「聞く」と「話す」は表裏一体

国語科教育において「読む」「書く」「聞く」「話す」は重要な技能とされています。先生が教科書を読み上げるのを聞く、または教科書を皆の前で読むという経験が皆さんにもあるでしょう。他人が読み上げる内容を聞きながら、意味を理解するという作業は重要です。ですが、
「誰かが教科書を読み上げているのを、自分も教科書の文字を目で追いながら聞く」
という作業にはどのような意味があるのでしょうか?

読み上げられた音と、それに照応する文字を明確に認識することは学習において大変重要です。文字と音を頭の中で結びつけ、イメージに変換する作業が行われます。また、そうしてインプットされた情報を「読み上げる」という行為でアウトプットすることも重要です。
とはいえ、それは本当に「聞く」能力の向上に役立っているのでしょうか?そもそも「聞く」能力とはどのようなものなのでしょうか。

「聞く」能力は「聴解力」と呼ばれます。耳からの情報のみで、会話の内容やニュースなどの解説内容を理解します。
文章のように、(時間制限がなければ)わかるまで何度も読み返しができるのであれば良いのですが、他者との会話では何度も同じ説明を求めることはできません。そのため聴解力では、聞いた内容を即、イメージに変換します。国語の能力である「情景描写」も使いながら、聞いた内容がどの様な状況であるのかをイメージするのです。従って文字を追いながら他者の読み上げを聞くよりも、高い理解力・イメージ変換力が求められます

会話の場合、音として入ってくる情報以外に、身振り手振りなどのノンバーバルコミュニケーションによる情報があり、意味を補います。ですが、ラジオで流れるニュースなど、音声のみの場合は言葉以外に情報が存在しません。そのため、言葉を素早く的確なイメージに置き換えることが、聴解力の基本です。

一方、話す側にも高いスキルが求められます。聞く側がイメージしやすい言葉を使い、わかりやすく、内容を追いかけやすいように話す必要があるからです。如何に聴解力の高い人であっても、難解な言葉と複雑な文脈で話をされては、イメージ化が難しくなります。

また難解な言葉ではなくても、あるグループでのみ通用する言葉が多く使われていると、話についていけなくなります。「意識高い系」と呼ばれる人たちの使うカタカナ言葉がその典型例と言っても良いのですが、業界や企業の中でしか通用しない言葉も同様です。その企業に長くいる人たちにとっては当たり前の言葉でも、新人は何を言われているのか、まったくわかりません。その辺を上手くケアしていかないと、コミュニケーションに齟齬が生じ、早期離職の原因にもなりかねません。他者がイメージしやすい話し方はどの様なものなのか。話す側もスキルの向上が求められていると考えましょう


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