2022.04.01

オンライン時代だからこそ、ノンバーバルコミュニケーション

新型コロナウィルスの感染拡大でリモートワークが推奨されるようになってもうすぐ2年になります。それ以前もネットを利用する際の「リテラシー」についてはいろいろと言われてきました。特にメールやチャットなど文字ベースでのやりとりについては書き方によってはトラブルが起きやすく、ノンバーバルコミュニケーションの役目を理解しないままの発言で多くの問題が発生していると考えています。

「ノンバーバルコミュニケーション(または非言語コミュニケーション、以下NVC)」というのは、身振り手振り、表情、声のトーンなど、テキストや音声といった言葉以外のコミュニケーションを指します。対してメールやチャットなど、文字ベースのコミュニケーションは「バーバルコミュニケーション」と呼びます。

そこで皆さんに質問です。メールやチャットで顔文字絵文字を使っていますか?スタンプや「w」などでも構いません。
「そんなものを使うなんて何て不真面目な!」
と思われる方もいるでしょう。ですがこれは大変重要です。なぜならこれがテキストベースではNVCの代わりになるからです。

例えば
「お前、バカだろ」
というメッセージがやって来たとします。話の流れにもよりますが、たいていの人はこのメッセージを見ればムカッとするでしょう。筆者もムカッとします。
これが電話でのやりとりだと、相手が本気で言っているのか、あきれて言っているのか、笑いながら言っているのかは声のトーンでわかります。これがNVCの威力です。
ですが、テキストのみだと声のトーンがわかりません。ですので文面だけを見ると相手の真意にかかわらず、ムカッとするわけです。

もし
「お前、バカだろ(^o^)」
または
「お前、バカだろ(笑)」
と書かれていたら、相手が笑いながら書いていることがわかります。ずいぶんと印象が変わって見えますね。怒っているなら
「お前、バカだろ(怒)」
とか。感情を相手に伝えるには、顔文字や絵文字は大変重要だというのがわかると思います。
文章をきちんと書くことが重要なのは言わずもがなです。

ちなみに25年ほど前、筆者が入っていた某メーリングリストで2人の方がやりとりをしている間にヒートアップし、
「味噌汁で顔を洗って出直してこい」
と書いてしまったという、いわゆる「味噌汁事件」が発生しました。直接会って話をすれば、大した話ではなく、その後もおふたりの間にはわだかまりは残らなかったのですが、この事件はヒートアップした場合の対処として幾つかの教訓を残しました。

①冷静になれ(アンガーマネジメント)
②電話に切り替えろ(NVC)
③メーリングリスト以外でやれ

世の中で発生するネット上での口げんか(文字げんか?)も、まずは冷静になるところからですが、その前にNVCの威力を再認識し、メールやチャットに取り入れてみませんか?
当然のことですがテレビ会議でもNVCは有効です。

Written by T.T.Yamada