2025.07.01

ガチャガチャ考 -カプセルトイはどうしてワクワクするの?-

筆者が課金してしまったカプセルトイたち

私が子どもの頃に特に夢中になった遊びに、ガチャガチャ(そう呼んでいました。一般的な呼称はカプセルトイ)があります。あれから30年以上が経つけど、カプセルトイの市場は今日ますます隆盛しているよう。専門店がそこかしこに開店しているし、一般社団法人日本カプセルトイ協会が実施した2024年の調査によると、その市場規模はなんと1400億円を超えた1とのこと。「親ガチャ」「国ガチャ」などの言葉まで自然発生的に使われているほど、人々に親しまれるようになった「ガチャ」。なぜこれほどまでにカプセルトイは普及したの? なぜ私はこんなに小さな玩具に数百円を投じ続けているの? と思い、カプセルトイにワクワクし、思わず課金してしまう理由を考えてみました。以下の3点です。 

  • 魅力があり、買いやすい 

まずは、おもちゃ自体が持つ魅力。好きなキャラクターのもの、思わず笑ってしまうネタ玩具等、自分好みのものが小銭で手に入ると思うと、つい財布の口が緩みます。 

  • 弱ギャンブル性 

自分のお目当ては、ちょっとした高嶺の花に。それが手に入るかどうかが分からずドキドキし、手に入ったときの喜びと高揚感は大きい。欲しいものがもらえるかは分からないけど、確実に何かはもらえる。低リスクで賭け事を楽しめるのです。おみくじも似たようなものかもしれません。「良い運か」「悪い運か」を賭けるような形で、小さな紙片に100円を支払うのです。 

  • からくり好き 

そもそも、カプセルトイを含む「自販機」自体が何かワクワクするので、自販機について改めて考えてみました。お店の人に「〇〇をください」と伝えて手渡してもらうのと、自販機のボタンを押して〇〇が出てくるのでは、ワクワクさが違います。からくり時計が音楽を奏でる様子や、ピタゴラ装置の動作に目が釘付けになるように、ハンドルを回すと物が出てくるというカプセルトイのからくりに、多くの人は惹きつけられるのでしょう。 

カプセルトイは、1960年代に日本に初めてカプセルトイマシンが輸入されたことを発端に広がったといいます。当初は雑なつくりだったカプセルトイも、今日では精巧で高品質、多種多様になりました。また、ターゲットは子どもだけでなく、幼少期に夢中になった大人にまで広がっていることも、市場が盛り上がっている一因でしょう。さらに、カプセルに入れるのは玩具に留まりません。お酒、書籍の他、旅行先をガチャで決めるサービスや、観光資源として村民との交流を促す「村ガチャ(@白馬村)」等と形態も多様化してきており、今後のさらなる発展と可能性を感じています。 

ナスピアでは、世にある「ワクワクするもの」「人を惹きつけるもの」を都度考察し、様々な知見を集め、ワクワクするエデュテイメントの企画・制作に活かしています。どうぞご期待ください。 

Written by H.Owa


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  1. 一般社団法人日本カプセルトイ協会(2025)「令和 6 年度(2024 年)カプセルトイ市場動向調査 結果報告」JACTA 一般社団法人日本カプセルトイ協会、https://www.japan-cta.org/news/jacta2025/ ↩︎