2026.05.01
今や人生をかけても消費しきれないほどの「コンテンツ飽和」時代。生き残りをかけた「ユーザーを離脱させない工夫」は、もはや欠かせません。
ナスピアでも「学習へのモチベーションを高める」という目的で長年探求してきました。
そうした工夫の中には、一般的に「実績」と呼ばれる機能があります。いちゲーマーとして馴染み深い機能。今回は制作者の視点からこの機能を分析してみます。
実績とは、いわゆる「バッジ」や「称号」などで、収集要素を含むものを指します。達成感や自己肯定感を与えるだけでなく、成果を外部へ発信して承認欲求を満たすなど、モチベーションを高める効果も期待できます。
まずは、その原点ともいえる「イースター・エッグ」について触れます。ゲームの世界で、制作者が設定した「隠し要素」や「遊び心」のことです。
1979年のゲーム『アドベンチャー®』が初出と言われており、かつては知る人ぞ知る裏技のような存在でしたが、実績機能が広まったことで、制作者側も存在や条件を伝えやすくなりました。
実績やイースター・エッグが、短期的な目標として機能することは私自身体験済みです。
大した報酬もない高難易度ステージに挑むのは序の口で、クリア時間を数秒短縮するために寝る間を惜しんで素材を集めることもしばしば。 果ては無造作に置かれた空き缶のピラミッドを崩すためだけにステージをやり直すなんてことも……本当にどこからモチベーションが湧いてくるのやら。
当然、科学的な根拠があるパターンも。例えば「3日連続で○○する」という簡単な条件で動機付けを行い、徐々に条件を引き上げます。人間の「やり始めたことを無駄にしたくない」という心理効果を利用して、ユーザーを離脱させないフックにしているのです。
一見、そのまま学習にも転用できそうな機能ですが、性質の差からeラーニングへの適用には悩む点もありました。
一つは、評価指標の扱いです。例えば「平均点以上を取る」という実績だと、統計上、約半数のユーザーが獲得できないことになります。
多くのユーザーに達成感を与えたいのに、約半数を挫折させるような条件では本末転倒です。
また、実績には「収集要素」があるため、やり直し・再取得が効きにくい「テスト」形式の評価方法と相性が悪い部分もあります。
もう一つはやり込みの定義です。ゲームであれば、稼いだ経験値=レベル=強さが成り立ちますが、学習は違います。足し算を何万回繰り返しても、それだけで微積分が解けるようにはなりません。
学習時間や解答回数でやり込みは測れますが、必ずしも好成績を保証しないという点で、評価すべきかは意見が分かれると考えます。
ナスピア製LMS「e-GOAL」でも、次回のアップデートで実績機能を搭載予定です。
学習用システムとして真面目に向き合いつつ、王道の実績に加えささやかなイースター・エッグも用意しています。 ユーザーの皆様が学習の過程で体験する喜びと達成感に、ご期待ください。
Written by Y.Nakai
学習ログを取ることで、弱点分析や学習態度を分析する
eラーニングシステム。PC、タブレット、スマホに対応