2021.02.13

人前で話す時に注意すること

教育機関で教員をしている人には当たり前のことかもしれませんが、人前で話をするときには、幾つか気を付けるべきことがあります。今回は「話の順番」「目次の提示」「ノンバーバル・コミュニケーション」の3つについて紹介します。

人前で話をするときに意識しなければいけないのが、「話の構造」です。文章を書く場合もそうですが、「起承転結」「序破急」など、相手に伝えるには順番というものがあります。時間が短い場合には最初に結論を言う、「結起承転(結)」もあります。最初に結論を言っておけば、あとはどこかでタイムアップになったとしても、話が尻切れトンボにならずに済むからです。
ですが、これをできていない人が意外と多く見られます。興が乗ったのか、話が脱線して関係ない話ばかりになり、結論を言う時間が取れなくなるパターンです。そういう人は最初に結論を言っておけば、いくら脱線しても構いません。ただし、聴衆があなたの話に飽きてスマホをいじりだすまでは。

そしてこれを防ぐのが「目次の提示」です。
「今、どこを話しているのか」
という話全体のロードマップを示すのです。全体の何%まで来ているのかがわかれば、聴く側もあとどれくらいかわかりますし、話す側も時間の消化具合と、話している場所から、もう少し伸ばしても大丈夫なのか、それとも巻かないといけないのかがわかります。話の構造に合わせて目次を作成し、話が変わるタイミングで
「次の話題に入りますよ」
ということがわかるようにしましょう。パワーポイントなどのプレゼンソフトを使っているなら、サブタイトルを示したスライドを用意しましょう。そういうものがない場合は、指を折って、いくつ目の話題かを聴衆に示しましょう。

この「指を折る」という仕掛けも重要です。海外のカリスマ経営者と呼ばれる人々(故スティーブ・ジョブズもそうでした)は身振り手振りを交えながら話をします。これには話の内容をわかりやすくする仕掛けがあります。
身振り手振りを使ったコミュニケーションを「ノンバーバル・コミュニケーション」といいます。一方、言葉のみで伝えるものは「バーバル・コミュニケーション」と言います。
人間は音で聴いたものよりも、目で見たものを優先的に捉える傾向があります。極端な例では、話の内容と身振り手振りで示された内容とが一致しない場合、後者が正だと捉えます。
ノンバーバル・コミュニケーションはそれほど強力ですので、話している内容をわかりやすく、そして印象が残るように伝えるためには、身振り手振りで話の内容を強化することが重要なのです。

もちろんボソボソと小さい声で話をする、原稿に目を落として読んでいる、というのは論外です。聴衆をしっかりと見据え、できれば聴衆を見渡しながら話をすることが、人前で話をするのに必要な事だと心得ましょう。

Written by T.T.Yamada


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