2021.08.27

理由を説明せよ!(何故それをやるのか)

前回は「本来は読書感想文ではなく、書評を書けるようにならなければいけない」という話題を提供しました。感想だけが書かれた読書感想文からアップグレードするには「何故?」とそれに対する理由をしっかりと示すことが重要だということです。
実は「理由を示す」というのは、社会に出てからも大変重要です。

ここで企業や団体の方に質問です。
「これまでこうしてきたから、この通りやりなさい」
「自分の経験から、これが正しいから、言われた通りにやりなさい」
というような指示を部下に出していたりしませんか?

これ、指示を受けた側は
「何故それをその手順でやるのか?」
を納得できない
ため、
「なんでやるのかわからないけど、言われた通りにやろう。失敗しても『言われた通りにやりました』って言えば良いし」
と、自分で考えることを放棄するようになります。つまり主体的に仕事に取り組もうという姿勢を放棄してしまうのです。

これは企業や団体にとっては損失以外の何物でもありません。特に
「これからは自分で考えられる社員が必要だ」
と考えている経営者にとっては、優秀な人材を採用しても、わざわざ社内で主体的に考えないように教育してしまっているわけですから。
そして主体性を失うと、今度は次の仕事(作業)についての指示を待つようになります。つまり指示待ち人間になっていきます。

指示待ち人間が増えると、結局は上司の負担が増えます。すべての仕事について指示を出さざるを得なくなり、上司には休む暇すら無くなってしまいます。
説明するのが面倒くさいと感じる場合もあるでしょう。自分も説明できないような手順もあるでしょう。ですが、それを
「言われたとおりにやれ」
と言ってしまうと、結局は自分の仕事が増えるという事に気がつきましょう。

これを防ぐためには、とにかく相手が納得するまで説明をすることです。何故それをやる必要があるのか、何故その手順でなければいけないのか。これを理解するまで説明しましょう。その上で、より良い方法があるのであれば、それを模索する態度を否定しないようにしましょう。

実はこれ、自治会(町内会)やPTAなどでも発生しています。
「どうしてこれをやるの?どうして3ヶ月も前からやるの?」
という質問に対し
「去年もそうしていたから」
という返答がよく出て来ます。もっと効率的にやる方法や、飛ばして良い手順もあるのですが、それは一度やってみないとわからなかったりします。これはメンバーが頻繁に替わることから発生する弊害です。

しかし企業の場合は、社員が毎年変わるわけではありませんし、手順の改良も可能です。特にDX化の推進が必須の現在においては、余計にその必要性が高まっているはずです。
そのためにも、
「何故それをやるのか、何故その手順なのか」
を明確にすることが必要となるのです。

Written by T.T.Yamada


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