2022.01.28
それは「減点方式」で子どもを評価する指導者です。前提として、これは生徒指導・クラス運営面での評価であり、学習面での評価ではありません。私の経験上、学級崩壊させる指導者はすべてこれに当てはまります。
理由は簡単、指導者と子どもの信頼関係が生まれないからです。そもそも学級崩壊とは「お互いの信頼関係がない」というものがほとんど‥というかすべてです。
この人は私をちゃんと見てくれている。
→だから私もそれに応えたい。
これが信頼関係を生む根本的な構図です。この関係がないと
指導者の言葉に耳を傾けない。
→指導者の伝えたい想いが思うように伝わらない。
要は話を聞いてもらえないのです。そういった指導者は、当然学級崩壊させてしまいます。
2つの指導者視点から具体例を挙げてみます。
視点①:
A君は授業中の私語が多い生徒である。今日も2限目の理科で、友だちに昨日のテレビ番組の話をし始めた。テレビで見たワードがたまたま教科書に出ていたようだ。いつもこのような形で突拍子もなく私語が始まる。1日静かに過ごせた日はない。
視点②:
A君は授業中の私語が多い生徒である。だがその欠点を自分なりに直そうと努力している。今日も1限目の数学では私語がなかった。2限目の理科で、昨日テレビで見たワードがたまたま教科書に載っており、つい我慢できず友だちに話しかけてしまったようだ。しかし、1日の中で私語なく過ごせる日は確実に増えている。
さて、あなたならA君になんと声をかけるでしょうか。
「うるさい、少しは静かにしろ!みんなちゃんとしているじゃないか!」
②のような視点を持っていればこのような声かけはしないでしょう。おそらく数学は頑張っていたことや1日の中で私語が減ってきていることを評価し、つい話してしまったA君の気持ちを理解しようとするのではないでしょうか。
大袈裟ではなく、①のような減点方式の積み重ねが指導者と子どもの信頼関係をなくします。視点①で評価し続ければ、A君は指導者の言葉に耳を傾けないでしょう。それどころか、さらに私語は増えるかもしれません。よく勘違いされがちですが、静かに授業がなされれば良いクラスではないのです。お互いの信頼関係がなければそれは学級崩壊と何ら変わりないのです。
よって「減点方式」で子どもを評価する指導者は学級崩壊をさせるというわけです。
学級崩壊させない指導者は子ども一人ひとりを必ず「加点方式」で評価しています。これは近年企業でも取り入れられているセキュアベース・リーダーシップ論に類似します。まだまだ未熟な子どもにとって、自身の成長をきちんと見守られている安心感は、豊かなクラス運営へとつながるのです。
Written by S.Fujiwara
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