2023.03.31

やっかいなコミュニケーションロス

2023年5月より、新型コロナウイルスが5類へ引き下げになることが発表されましたね。 
弊社では2020年4月からテレワークを導入してきましたが、その間「コミュニケーションロス」を何度も体験しました。 
今回は、その中でもやっかいだったケースを、取り上げたいと思います。

さて、弊社では社内連絡にチャットツールを使用しています。多くの人は、これを短いチャットを重ねて、会話のように進める形で使っています。

そうすると、当然「書かれていないこと」が多くなりますから、その疑問点を解消するか、自分で解釈・判断する必要があります。 
疑問点を解消する際、いくつかまとめて尋ねることがありますね。そこが落とし穴です。 

Aさん「このボタンはページの上側でいいですよね。そうすると、ここに表示する内容は文字サイズの関係で隣に出した方が良いと思います。あと、キーワードは赤字でいいですか?」 
Bさん「ボタンはページの下側の方が良いと思う。そうすれば上からの自然な動線で文字を読ませられるよね。」 
Aさん「(ありがとうスタンプ)」

上記のやり取りの中では「キーワードは赤字でいいですか?」という質問がフェードアウトしてしまいました。なまじ「いいですか?」という聞き方だったため、Aさんは異論がない=OK、と解釈できてしまいます。 

たとえ、箇条書きだったとしても、一つの質問に対して議論を重ねるうちに、未解答の項目が放置になってしまうことがありました。このようなケースは、「お互いがわかった気になっている」ため、表面化するまで気づくことができない点が、特に厄介です。 

もう一つが、「思い込みによるすれ違い」です。 
仕事を進めるにあたって、妥協点の探り合いというのは常に発生します。これは客先との妥協点を擦り合わせた後、それを社内で指示する時のケースです。 

Aさん「このボタンの機能だけど、単純なテキストデータを表示するだけで良くなったよ」 
Bさん「ちょっと待ってください。それだと数値を昇順に判別できないです」 
Aさん「いや、そんなに難しく考えずに、単純化していいよ、ってことなんだけど…」 

Bさんは、仕様と違った、飛躍した指示を受け取ったために疑問を返しました。 
ただ、Aさんは「Bさんにとっても都合の良い仕様を勝ち取った」と思いこんでいるため、その内容に疑問や問題を提起されると思っていなかったのでしょう。この後はチャットが延々と続く展開に… 

いずれも、対面やWeb会議ならスムーズに進んだであろう事例。連絡が「短文のやり取り」というだけで、これほどロスが起こるのか、と感じました。 

5月以降もテレワークを継続するのか、という点は各々の方針によるでしょうが、普段からなるべく文の書き方に注意する、こまめな情報共有を行うなど、ロスが起こらないように心がけるべきだと考えます。 

Written by Y.Nakai


タブレット・PCで自宅で手軽に学習できる
小~高各5教科対応オンラインドリルはコチラ