2021.07.30
前回「進む教育のICT化、蔓延する大きな勘違い」こういった記事を書きました。 今回はそのICT機器、具体的には先生が授業でどのようにタブレットを使っていくべきかについて触れます。結論から言います。
「検索とスクショ」
先生は授業でこの二つさえできれば大丈夫です。え、たったこれだけ、と思われるかもしれません。本当にこれだけで十分なのです。
タブレットには様々なソフトウェアがあり、その用途は数え切れません。ですがその膨大な使用方法が逆にタブレットを遠ざけてしまう要因になっているとも考えられるのです。 なぜならそれだけたくさんの用途があると、「使ってみよう」の前に「難しい」という考えが先行してしまい、使用すること自体を敬遠してしまうからです。特に機器の使用に慣れていない先生はそういった思考に陥りがちです。難しく考えず単純なことを確実にできることの方が重要であるという理解が必要です。
では、なぜ「検索とスクショ」なのか。
例をあげましょう。
小学校3年生理科「昆虫の体のつくり」の学習でタブレットの画面をテレビ画面に投影しながら学習していたとします。 児童から
「カマキリを見てみたい」
という声が出ました。授業はライブ感が命です。そういった声を想定して、いろいろな教材を用意しておくのがベストですが、あいにくカマキリの画像は用意していません。
さて、こんな時どうするでしょう。
「今は写真がないから次の授業までに用意しておくね」
では、せっかくのよい流れをとめてしまい、タブレットも宝の持ち腐れです。
タブレットの即レスポンスできる強みを生かさなければなりません。そのために行うことが「検索」です。ブラウザを開き
「かまきり からだ つくり 画像」
で検索すれば、おそらく意図する画像が見つかるでしょう。その画像は、できればズームして細かく見たり、書き込みしたりできるとよいですよね。そのためには「スクショ」です。
無事にスクショが完了し、カマキリの画像を大画面で提示することができました。子どもたちも興味津々です。 これで十分、検索とスクショができるだけで大画面提示というICTの一番の強みを生かせます。
理想を言えばこの作業に1分以上かけているようではいけません。 前途した通り授業はライブ感が命、小学校なら45分という限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮しなければなりません。1分以上の時間をかけていては授業の流れを止めてしまいます。
そうならないためにはどうすればよいでしょうか。
答えは簡単、「練習」です。必要以上に難しいことをしなくてよいのです。できることを確実にできるように何度も反復し、実戦で試していくことが大切です。 こんなことを確実にできるだけで、その先生の授業は間違いなく良いものに変わります。
新時代のICT教育、先生には今までとは違った能力が求められます。黒板を前にチョーク一本で学習するスタイルからの脱却もその一つです。
Written by S.Fujiwara