2024.06.03
弊社のドメインである「エデュテインメント」は、娯楽性のある様々な学習形態を指す「教育」と「娯楽」を組み合わせた造語です。今日では、教育映像や動画、教育用ソフトウェアに留まらず、博物館の展示や各種体験等、様々な場で用いられるようになり、「マインクラフト」「桃鉄」等の元々は教育目的外で作られたゲームソフトが、エデュテインメントとして教育現場で公的に使用されるまでになっています。
このようにエデュテインメントが広がってきた結果、玉石混交の時代になったように思います。今回は筆者が考える「優れたエデュテインメント」について、「うーん…」と首を傾げたものと「特に、いい!」と思ったものの具体例を挙げながらお伝えします。
「うーん…」
学習内容をキャラクターに語らせるだけのもの
実体験のハードルがさほど高くないものをヴァーチャル体験に落とし込んだだけのもの。※実体験してみたくなるほど、その魅力を上手に伝えられているものは除く
リアルタイムのランキングと昇格・降格システムを組み合わせる等してユーザー間の競争を過度にあおり、ストレスや「燃え尽き」を引き起こす類のもの
「特に、いい!」
【例】
・様々な業界の第一人者(スーパースター)による講義(「MasterClass」)
「マライアの!ジェームズ・キャメロンの!フランク・ゲーリーの生徒になって、その考えやノウハウを学べるなんて…!!」
・AI搭載の英会話アプリ(「ELSA Speak」)
「何を言っても返答してくれるし恥ずかしくないから、話しやすい! 」
・各種体験(科学、技術、自然、ものづくり等)
ブロワーを使ってボールを浮かせながらゴールを目指す遊び(@イマジナス「科学体験ラボ」)
「おぉ、ボール等の丸いものが確かに風で浮く!どうして…?」
教育を何らかの遊びに落とし込めば、学習者にアプローチされやすくはなります。私自身、難しい内容を漫画やゲームで伝えてもらうのは「有難い!」と思う口です。しかし、自ら学びに向かう力が重視される今日、エンターテインメントが学習内容に関係しない表面的なものに留まり、学習の深化が期待できないものは「優れたエデュテインメント」とは言えないのではないでしょうか。一方で、学習内容をシンプルに伝えて学習内容自体に感動でき、更なる学習を促し得るものこそ、エデュテインメントとして優れていると考えています。
本当に学習内容の理解につながっているのか。さらに、エンタメで伝えた範囲を超えて、学習者の更なる関心を呼び起こし得るものか。エデュテインメントを企画・制作する際には、今一度これらに留意して世に提案していくことが望ましいと考えています。
Written by H.Owa
学習ログを取ることで、弱点分析や学習態度を分析する
eラーニングシステム。PC、タブレット、スマホに対応