2026.08.03
AIが子どもの考える力を奪う?
OECDの報告書『Digital Education Outlook 2026』によると、認知的なタスクを汎用チャットボットに任せると、メタ認知的な怠惰や学習意欲の低下といったリスクが生じ、長期的にはスキル習得を阻害する可能性があると警鐘を鳴らしています。(詳細はコチラ)
このような課題に対し、ちょっとした気付きになった私の(ささやかな)実体験レポートです。
前々職の先輩から、還暦間近の5人のお姉さま方がそれぞれ自分の好きな80年代アイドルになりきり、5曲ずつ計25曲披露する自営ライブを開催するので練習に付き合えと連絡があり、カラオケBOXに招集されました。ライブに行くともなんとも返事をしていない私たち後輩に、合いの手を入れるタイミングなどを丁寧に教えてくださる先輩。ありがたいです。
ならば、のめり込み楽しみ尽くすのが良い人生(の筈)。コールという武器だけでライブに参戦するのは準備不足です。ここは人生初の「推し活うちわ」を制作し演者を大いに笑わせてみせようではありませんか。
私史上初の制作ですが大丈夫。生成AIの1つNano Banana2の出番です。
① 先輩を応援する推しうちわのデザインを作れ
⇒違うそうじゃない。でもなんだか凄い!
② 背景いらない。中身だけ作って
⇒中身の意味を解釈していないのか?
③ 柄と外側の装飾はいらない
⇒まぁよし。
④ A3で印刷してうちわ(大)に切り張りしたい
⇒切り取り線らしきものと意味不明なカッターのイラスト?
⇒うちわ(大)のサイズにはなっておらず調整が必要。

印刷テンプレートデータを食わせるなどをすればサイズも望み通りになったとは思うのですが、おなか一杯になっちゃったので続きは自作でとなりました。(実際のやり取りはもっと膨大w)
AIはいきなり答えを得るために使うのではなく、パートナーとする事で、子どもの考える力をより育む。このような考えが散見される中、初めての推し活うちわ制作はまさにこれでした。0⇒1の制作力に驚き、1⇒10の舵取りに苦心する。すごいホームランを打ったかと思えば絶好球を空振りする。そんな野球選手をコーチしている感覚です。
ここで私はハッとしました。AIに望み通り(ホームラン)の結果を出させるためにロジカルな思考力(コーチ力)が必要なら、そのコーチ役を子ども達と定める事でAI時代の考える力を育む教育に辿り着くのではないかと思ったからです。
「AIはパートナーなんだからこのように使おうね」と理想のAIの使い方を説くのでなく、例えば「AIの回答と君の理想を比較してどう思うか?」のように、AIを使う事を前提にして尚、考えなくては回答とならない課題(問い)を提供してみるのはどうでしょう。
これはAIがまだ空振りもする程度である事が前提かも知れません。しかしAIがホームランしか打たないという進化を遂げたとしても、我々が主体となり、「深く考えた末に到達する喜び」を実感できる問いを提供し続けることで、子どもたちの「考える力」を育てていくことができる、そう考えています。
Written by S.Seki