2026.09.01

AIが補う人間の「正しさ」と、言語スキルの重要性

AIを業務に取り入れる。この考えが社会的にも時勢的にも主流になり、「一切のAI利用を禁止する」という事業は、今や少数派といえるでしょう。
かくいう弊社でもアカウントが支給され、様々な試行錯誤を行うようになりました。
そんな中、「正しいとは何か」という壁にぶつかるようになりました。

【正しい】とは、“道理にかなっている。事実に合っている。正確である。”1

例えば、「国語」の長文問題で私が作った問題案をAIに評価させたときのことです。
メタ的な話ですが、「筆者の考え」を問う問題なんてものは、真実は筆者本人にしかわかりません。
なので、いわゆる消去法で成り立つように手堅く作問するのですが、こういう問題は、正解の理由が「誤りがないため」という説明になってしまい、悩んでしまうことが多々あります。

大抵、直前の文や、表現技法を用いて理由を補足するのですが、それも出題者の主観的な説明になりがちで、説得力に欠けるように感じてしまいます。
しかし、この時のAIは、文中の対比構造やメタファーなど、私が意識せずに取り入れていた「誤りのない」部分の正当性を解説してきました。

AIは私が説明しきれなかった【正しさ】を、【道理にかなっている】と見事に文章化してみせたのです。

また、試運転がてら知識ゼロの私が“指示だけ”でアプリを作らせたときのこと。 結論から言えば、わずか2時間ほどで希望通りのアラームが出来上がりました。
AIに指示を行ううち、AIは想像以上に「指示していない」内容を補完していることに気づきました。私の1つ目の指示はわずか「好きな音源(mp3)を指定できるWindowsアラームを作って」という1文だけで、それを元に生成された計画もたった「5項目」。

しかし、それを元に「実行」すれば、ほぼそのまま使えるレベルのものが作られたのです。
少なくとも、私は成果物の出来からAIが提案し、補完した内容の【正しさ】を【事実に合っている】と評価しました。

AI興隆期の今、プロンプトの書き方といった【正確な】指示を出す技術が重視されるようになっています。
しかし、それは人間同士のコミュニケーションで「自身の考えを正しく言葉にするスキルや、他者の言葉を正しく受け取るスキル」とは異なります。

今後AIが進化し、より高精度に人間が言語化しきれなかった部分を補うようになれば、これらのスキルはAIの補助によって軽視されるようになるかもしれません。
それでも、言葉を尽くして伝える営みを諦めてしまえば、人間関係やコミュニケーションがAIの補助なくして成り立たなくなるかもしれません。
オタク的に例えるなら、かつて『ウルトラセブン®』に登場したメトロン星人が企てた「人間が信頼し合って生きていること」に目を付けた、侵略計画のようではないですか

このような時代だからこそ「正しく伝え、受け取る」スキルを重要視し、磨けるようなコンテンツ作りを追究しなければならないと、強く感じました。

Written by Y.Nakai


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  1. 出典:『デジタル大辞泉』(Weblio辞書)より ↩︎