2021.08.06

理由を説明せよ!(読書感想文のキモ)

8月に入りました。学校から解放された児童・生徒の皆さんも、夏休みを満喫しつつ、しかしそろそろ
「夏休みの宿題をやらないといけないなー」
と考え始めるのか、まだまだ安心しきっているのか…というタイミングではないでしょうか。

さて、夏休みの宿題の定番と言えば「自由研究」と「読書感想文」でしょうか。今回は「読書感想文」を取り上げましょう。

よくあるのは、というか筆者も小学校の頃を思い出すと、とりあえず簡単なあらすじを書いて、最後に
「○○は△△をして、すごいな(または、えらいな)と思いました」
で締めるような読書感想文を連発していました。今から考えると恥ずかしくて全部書き直したくなる内容です。
一体、どうしてこのような読書感想文はダメなのでしょう?

本来であれば「書評を書きなさい」というのが正しい課題なのだろうと思います。でも
「書評って何?」
という感じになりますよね。だから
「読書感想文」
という言葉に置き換えるのですが、「感想」を書けば良いと勘違いされているのが現状なのだろうと考えています。

実のところ、
「○○は△△をして、すごいな(または、えらいな)と思いました」
でも良いのです。重要なのは
「なぜすごいと思ったのか、その理由をしっかりと書くこと」
です。例えばエジソンの伝記を読んだとします。
「エジソンは電球を作るのに、様々な素材を試したとありました。その中で日本の竹を細くして炭にし、それを使って成功したとのことでした。アメリカにいたエジソンが日本の竹を使う。Amazonで注文できるわけでもないのに、そうやって手に入れたんだろう?しかもそのまま利用したのではなく、炭にして使った。自分であったら途中で、『ここまでやったんだから、もう使える素材はないんだ』と言い訳をして、やめてしまうと思います。実際に、いろんなところで『やっぱり無理なんだ』と言い訳をしてしまって、ほとんどの人があきらめています。『発明とは99%の努力と1%のひらめきである』という、世の中のほとんどの人があきらめてしまう「ひらめきを形にできるまで諦めない」努力をしたエジソンはすごいと思いました」
のように、具体的な例を挙げながら理由を説明することが重要なわけです。

恥ずかしながら筆者がこの境地に至ったのは高校1年生の時です。その時、志賀直哉の「城の崎にて」を選んで読書感想文を書きました。短編で短かったので書きやすいだろうという邪な気持ちがありまして。でも、
「主人公(志賀直哉)はすごいと思いました」
が通用しない内容だったわけです。これをきっかけに「書評」というものを意識し、
「何がすごいのか」
をきっちりと意識して書く
ようになりました。

もしこれから読書感想文を書くのであれば、「なにがすごいのか」「どうしてえらいのか」を意識して書くようにしてみましょう。

Written by T.T.Yamada


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